クリスマスとは一体何なのか。
それは、イエス・キリストの誕生日。
イエス・キリスト
「イエス」は、救う者という意味。「キリスト」は救世主という称号。
名前はどちらかというとイエスになるが、今は「イエス・キリスト」という固有名詞で広まっている。
キリスト教の神様「イエス・キリスト」は、人の姿をした神という位置づけ。
人の姿をしているだけで、存在は神様。
約2000年前、現在のイスラエルにユダヤ人の国があった。
その国に、ヨセフとその婚約者マリアがいた。
ヨセフ
マリア
マリアは婚約中に神の力により身ごもった。
マリアが身ごもっていることを知ったヨセフは縁を切ろうとしたが、夢に天使が現れて「身ごもったのは神の力だ」と言った。
そのことを信じたヨセフはマリアと結婚し、生まれてきた男の子をイエスと名付け、養父となった。
この誕生日(12月25日)をキリスト教ではクリスマスとして祝っている。
イエスが生まれる前を紀元前で表す。
イエスが生まれたのは「紀元前1年」で、イエスが生まれた翌年が西暦元年。
西暦に0年はなく、西暦元年は西暦1年。
イエスが生まれてすぐ、東の方から占星術の学者たちが3人やってきて、イエスに贈り物をした。
贈り物は樹脂2つと黄金。
東方の三賢者(とうほうのさんけんじゃ)
ユダヤ人の国の王様ヘロデは、新たな王の誕生を恐れ、二歳以下の幼児を虐殺してまわった。
イエスと両親は、虐殺から逃れるためエジプトに避難した。
ヘロデ大王
ヘロデ大王の虐殺から逃れたイエスは、そのあとイスラエルのエルサレムにあるエルサレム神殿で清めの儀式を受けた。
このエルサレム神殿は、ソロモン王により建設され、ヘロデ王により拡張された神殿であると言われる。
エルサレム神殿
その後イエスは、マリアの親戚である洗礼者ヨハネにヨルダン川のほとりで洗礼を受ける。
洗礼者ヨハネ
洗礼を受けたイエスは、神の霊により荒れ野に送り出され、悪魔の誘惑を受けながら40日間断食した。
ヨハネはその後、ヘロデ大王の結婚を避難し、その罪で処刑された。
荒れ野での試練の後、イエスは自分の弟子から12人を選び、特権を与えた。
イエスがこの12人の弟子(十二使徒)と夕食をしている際、裏切り者がいることと自分に苦難が起きることを予言し、それを聞いた十二使徒は動揺した。
次の日、自分が捕らえられて十字架にかけられることを知っていたイエスは祈っていた。
三度目の祈りが終わった時、12番目の弟子「ユダ」の裏切りによりイエスは捕縛される。
ユダは、イエスが引き渡される際に接吻をした。
この接吻がイエスを捕縛する合図だった。
ユダ
イエスは捕縛され、裁判にかけられた。
容疑は「イエスが神を冒涜した」というもの。
結果イエスは十字架に磔(はりつけ)になり、十字架を背負いながらゴルゴダの丘まで歩かされた。
ゴルゴダの丘で十字架に磔になったイエスは息絶えた。
その後、十字架からおろされ墓に埋葬されたが、三日目の朝に生き返った。
この復活を祝う「復活祭(イースター)」はクリスマスより大きな規模で行われている。
復活祭の日は「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」で、3〜5月に行われている。
今まで述べたように、クリスマスはキリスト教のお祭。
では、なぜ日本にクリスマスが広がったのか。
戦後、日本経済は輸出産業に頼っていて、クリスマス関連の製品も世界中に輸出していた。
日本製のクリスマス商品は、品質・デザインが良いと高評価だった。
しかしオイルショックによる石油製品の高騰と円高で輸出が激減し、クリスマス関連会社は内需へ目を向ける。
クリスマス関連会社の宣伝と、日本風にデザインをアレンジした企業努力により徐々にクリスマスが日本に定着していった。