インターネットの歴史は1950年代のコンピュータの発展と共に始る。
1950年代といえば、第二次世界大戦終了後の日本が連合国と「サンフランシスコ平和条約」を結び、主権を回復した頃である。
サンフランシスコ平和条約
当初コンピュータ通信といえば、コンピュータ同士の1対1通信だった。
そこから、初期のパケット通信の研究へと発展していった。
パケット通信とは、データをパケット(小包という意味)に変換(分割)して伝送路の空いている時間に送り出し、受信側の記憶装置に蓄積させ、パケットがずべて届いた後に元のデータに再変換して届ける通信方式。
パケット通信
1960年代末から1970年代初めに、ARPANET(アーパネット Advanced Research Projects Agency Network)というパケット交換ネットワークが開発され、複数のネットワークを相互接続してネットワークを構築するプロトコルに発展した。
ARPANET(アーパネット)は、アメリカ国防総省(ペンタゴン)が資金提供し、てマサチューセッツ工科大学の教授を無理矢理引き抜いて研究開発された。
アメリカ国防総省は、アメリカ合衆国の国防・軍事を統合する官庁であり、マサチューセッツ工科大学は1940年代に軍事技術の研究開発にかかわっていたことから、核攻撃下でも生き残れるコミュニケーション技術であると噂が広まった。
アメリカ国防総省(ペンタゴン)
ARPANETは、1969年、大学や研究所など全部で4カ所を相互接続する形で始まった。
最初に送った内容は 「login:」 というテキストだったが、「lo」 まで送信したところでシステムがクラッシュした。
その1時間後クラッシュから復旧させ、テキスト全体の送信を成功させた。
1982年、「TCP/IP」というプロトコルが標準化され、TCP/IPを採用したネットワーク群を世界規模で相互接続する「インターネット」という概念が提唱された。
「TCP/IP」とは、TCP(Transmission Control Protocol)とIP(Internet Protocol)の2つのプロトコルを組み合わせたもので、この組み合わさったものを「インターネット・プロトコル・スイート(Internet protocol suite)」と呼ぶ。
「TCP」は、伝送制御プロトコルといわれ、あるコンピュータ上のプログラムから別のコンピュータ上の別のプログラムへと信頼できる順序通りの転送を行う役割を果たす。
その順序は「3ウェイ・ハンドシェイク (スリーウェイハンドシェイク)」と呼ばれ、相互に3度通信のやりとりが行われる。
「IP」は、インターネットでパケットを中継するのに使われる主要な通信プロトコル。
3ウェイ・ハンドシェイク
ARPANETは1990年に役目を終え、それ以降「TCP/IP」が広がった。
現在「インターネット」と呼ばれるものは、「TCP/IP」を利用したネットワーク通信のことである。
コンピュータの進化とともにインターネットは普及し、現在に至る。