主義にはいろいろあるが、大きく「経済の仕組みに関する主義」と「イデオロギー(理念・思想)における主義」がある。
まず、「経済の仕組みに関する主義」から
「資本主義」
経済の仕組みの一種で、生産手段を持つ資本家が、生産手段を持たない賃金労働者を使用して利潤を追求する社会システム。
カール・マルクスが著書「資本論」の中で定義した。
マルクスはドイツ出身で、イギリスを中心に活動した経済学者。
カール・マルクス
マルクスは、「資本論」を書いている途中で他界。
その後「資本論」を完成させたのは、同じくドイツ出身の友人フリードリヒ・エンゲルス。
フリードリヒ・エンゲルス
「共産主義」
財産の一部または全部を共同所有することで平等な社会をめざすシステム。
マルクスが、資本家による搾取のない平等な社会をめざす「マルクス主義(科学的社会主義)」を唱え、これが共産主義の基本となった。
マルクス主義は科学的社会主義と呼ばれ、資本を社会の共有財産に変えることによって労働者が資本を増やすためだけに存在するという賃労働の性質を廃止し、階級のない協同社会をめざすというものである。
マルクスは、これは理想論ではなく科学的根拠に基づくものだと主張し、わざわざ科学的社会主義と言っている。
科学的社会主義では、資本主義は行き詰まり共産主義に行き着くとしている。
共産主義に移行する場合、暴力革命や独裁のような過激な方法も肯定する主義である。
次に、「イデオロギー(理念・思想)における主義」について
「社会主義」
資本主義に反対し、より平等で公正な社会を目指す思想。
マルクス主義(科学的社会主義)の考え方が主軸。
資本主義から共産主義に移行する途中の段階。
社会主義から共産主義に発展する予定だった「ソビエト連邦」は経済に行き詰まり、途中ペレストロイカ(改革)を行うが、最終的に崩壊した。
ソビエト連邦は解体され、ロシアが誕生。
ロシアは資本主義の国となった。
「民主主義(デモクラシー)」
国民全員が構成員となり、意思決定を構成員の合意により行うという考え。
「自由主義(リベラリズム)」
人間は理性を持ち、自己決定権を持つ。
政府からの自由、政府への自由、私的所有権を認めるという考え。
「共和主義」
民主主義に基づき君主の廃位を要求すること、つまり君主制廃止論を主張する主義。