子供に教えることのまとめ

子供に教えたいことをいろいろまとめてます。

第8章 ヘラクレス



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ヘラクレスはゼウスとアルクメネの子供である。
アルクメネはペルセウスの孫。


ヘラクレス





アルクメネ


アルクメネを気に入ったゼウスはアルクメネに近づくが、アルクメネ別の男性との結婚の約束をしており、それを守ってゼウスの誘いを断った。
そこでゼウスは婚約者が不在のときを見計らい、婚約者の姿に変身して思いを遂げた。
アルクメネは次の日に本当の夫を迎え、神の子ヘラクレスと人の子イピクレスの双子の母となった。


ゼウスの浮気によって生まれたヘラクレスはゼウスの正妻ヘラの憎しみを買うことになる。


ヘラクレスの誕生後、ゼウスはヘラクレスに不死の力を与えようとして、眠っているヘラの乳を吸わせた。
しかしヘラクレスの乳を吸う力が強く、ヘラは痛くて目が覚めてしまった。
これを恨んだヘラは密かに2匹の蛇を双子が寝ている揺り籠に放ったが、赤ん坊のヘラクレスは素手でこれを絞め殺した。





ヘラクレスは半人半馬の怪物であるケンタウロス族の賢者ケイロンに武術を習い、たくましく育った。


ケイロン



ヘラクレスは王女メガラを妻にして、2人の間に3人の子供が生まれた。
しかしヘラがヘラクレスに狂気を吹き込み、ヘラクレスは我が子を炎に投げ込んで殺してしまい、これを悲しんだ妻メガラも自殺した。


正気に戻ったヘラクレスは、罪を償うため音楽の神アポロンの助言を受けた。


アポロン



アポロンは「10の勤めを果たせ」といい、ヘラクレスはこれに従い、苦難の道を歩むことになる。


このあとヘラクレスは、10個で良いはず勤めを12個こなす。


1. 刃物を通さない皮を持つ獅子を絞め殺し、この獅子は後にしし座となった。


2. 9つの頭を持った水蛇ヒドラを退治し、ヒドラはうみへび座となった。
また、この戦いでヘラが送り込んだ巨大な化け蟹を踏みつぶしてかに座となった。


3. 女神アルテミスの聖獣で黄金の角と青銅のひづめを持つ鹿を1年間追い回した末にを生け捕りにし、アルテミスに捧げた。


4. 人食いの怪物、大猪を生け捕りにした。
このとき誤って師であるケイロンにヒドラの毒矢を放ってしまった。
ケイロンは不死の力を与えられていたが、毒の苦しみに耐えきれず、不死の力を放棄しようとした。
ケイロンの不死の力を受け入れてもらうために、ヘラクレスは、ゼウスに縛り付けの刑を受けていたプロメテウスを解放した。
プロメテウスは不死の力を受け入れ、ケイロンは死んだ。
ゼウスはケイロンの死を惜み、ケイロンをいて座にした。


プロメテウス



プロメテウスはタイタン族で、ゼウスの命令に背いて人間に火を与えた。
人間は文明や技術などの恩恵を受けたが、同時にゼウスの予言通り、その火を使って武器を作り戦争を始めてしまう。
それに怒ったゼウスは、プロメテウスを山の山頂に張り付けにし、生きながらにして毎日肝臓をハゲタカについばまれる拷問を強いた。
プロメテウスは不死であるため、彼の肝臓は夜中に再生し、ヘラクレスに解放されるまで半永久的な拷問が行われていた。


5. 30年間掃除されたことがなかった牛小屋を掃除した。


6. 翼、爪、くちばしが青銅でできてる怪鳥を退治した。


7. クレテ島の王が自分の王権を認めさせるため、ポセイドンに牡牛を捧げることを誓った。
ポセイドンはこれを信じ海中から牡牛を送ったが、王は牡牛が美しかったため別の牡牛をポセイドンに捧げた。
これに怒ったポセイドンは牡牛を凶暴にして暴れさせ、王の妻に牡牛を恋するように呪いをかけた。
王の妻は牡牛への恋に苦しみ、発明家ダイダロスに内部が空洞になった牝牛の木像を作ってもらった。
妻は木像牡牛の空洞に入り、牡牛との間に牛頭の子ミノタウロスを生んだ。


ミノタウロス



王はこの奇怪な子ミノタウロスを隠すため、発明家ダイダロスに迷宮ラビリンスを作らせ、そこに閉じ込めた。
そして、王はヘラクレスに凶暴になって暴れている牡牛を捕まえるよう命令する。
ヘラクレスは牡牛を捕まえて追い払った。


8. トラキアという国の王は軍神アレスの子で、旅人を捕らえて自分の馬に食わせていた。
ヘラクレスがその馬を奪ったため、王が軍勢を率いて馬を奪還しようとした。
ヘラクレスは王を返り討ちにして殺害し、王の死体を馬に食べさせた。


9. アマゾンの女王の腰帯(こしおび)を持ってこいと命令されたヘラクレス。
アマゾンは女性だけの国。
アマゾンの女王と交渉するとヘラクレスの肉体を見て、自分との間に丈夫な子を作ることを条件に腰帯を渡すことを約束した。
ところがゼウスの妻ヘラがアマゾンの1人に変身して嘘の情報を流す。
それに踊らされ、アマゾンの女王はヘラクレスを攻撃した。
ヘラクレスは女王を返り討ちにして腰帯を持ち帰った。


10. 双頭の犬オルトロスを打ち殺し、オルトロスが守っていた牛を生け捕りにした。
ヘラクレスは牛を生け捕りにする際、巨大な山脈を登らねばならなかった。
山脈を登るが面倒だったので、巨大な山脈をその怪力で真っ二つにした。
その結果、大西洋と地中海がジブラルタル海峡で繋がり、分かれた2つの山脈をひとまとめにして「ヘラクレスの柱」と呼ぶようになった。


オルトロス



11. 黄金の林檎のリンゴを持ち帰るよう命令されたヘラクレスは、水神ネーレウスを捕らえ、場所を聞いた。
黄金の林檎は百の頭を持つ竜ラドンが守っていた。
ラドン



ヘラクレスは人間に火の使い方を教えたためにゼウスに罰せられて縛り付けられていたプロメテウスを救い出した時に助言を受けた。


プロメテウス



プロメテウスは「アトラスに取りに行かせるべき」と言った。
アトラスは神々とのタイタンの戦いに敗れ、ゼウスに天空を担がされていた。


アトラス



ヘラクレスがアトラスに、ヘラクレスが天空を担いでいる間に黄金の林檎を取ってきてくれ頼むと、アトラスはこれはありがたいと思いヘラクレスに天体を担がせ、黄金の林檎を取りに行った。
アトラスがラドンが守っていた林檎を持って戻ってくると、再び天空を担いで身動きできなくなるのを嫌がった。
ヘラクレスは、頭に円座を装着してから天空を支えたいので少しの間天空を持っていてほしいと頼んだ。
承知したアトラスが天空を担いだところでヘラクレスは林檎を取って立ち去った。


12. ヘラクレスは、冥府の番犬ケルベロスを捕らえてこいと命令された。
ケルベロスはオルトロスの兄貴分であり、3つの頭を持つ犬の化け物。


ケルベロス



ヘラクレスは冥府に入ってハーデスから「傷つけたり殺したりしない」という条件で許可をもらい、ケルベロスを生け捕りにした。
ケルベロスを地上に引きずり出して、太陽の光を浴びせた時、ケルベロスは狂乱して涎(よだれ)を垂らした。
その涎から毒草のトリカブトが生まれた。




これらの勤めを果たしてヘラクレスは自由の身になった。


ヘラクレスは死後、神になった。
この時、ゼウスの妻ヘラもヘラクレスをようやく許した。


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